UNISONと融人保護官
ここでは、ルールブックとは別に『ガイアケアTRPG』の世界観を説明していく。
この世界には融人を取り巻く様々な勢力がいる。
このページではUNISONと融人保護官について紹介しよう。
ここでは、ルールブックとは別に『ガイアケアTRPG』の世界観を説明していく。
この世界には融人を取り巻く様々な勢力がいる。
このページではUNISONと融人保護官について紹介しよう。
国際連合 生物及び自然保護機構。
UNISONは融人の登録、分類、管理を担う国際的な融人管理機関だ。
UNISONは『生物と自然の保護機関』として設立されたが、現在では国際的な融人管理機関としての役割が中心業務となっている。
各加盟国にUNISONの現地支部が存在し、融人の扱いについては国ごとの実情に合わせて運用されている。 日本支部 TIPS UNISON JAPAN。 に関しては後述する。
UNISONは主に以下の3種の活動を行っている。
UNISONは国際的な融人データベースを作成・管理し、融人登録を推進している。
人間に友好的な融人の多くは、これに協力し、UNISONの支部や地方自治体を訪れ、融人登録を行っている。
融人データベースに登録された融人は「登録融人」と呼ばれる。
UNISON加盟国では「登録融人を人間と同等に扱う」と定められており、登録融人への社会的サポートを推進している。
UNISONによるバックアップがあるからこそ、融人たちは人間と同等の社会生活を保証され、社会に融け込むことができているのだ。
以下に該当する融人は登録融人であってもサポート対象外となる
これらの融人は各国の警察機関や融人保護官による捕獲、討伐対象となり得る。
UNISONへの登録を行わない「未登録融人」も存在する。
彼らが登録を拒む理由は様々だが、最も多い理由は「人間を信用していない」というものだ。
人間の
駆除対象だった動植物
TIPS
害虫、害獣、有毒植物など。
の亜獣や、
破壊の対象だった無機物
TIPS
山や河川など。
の付喪はこの傾向が高い。
未登録融人の多くは、
登録証がなくても働ける職場
TIPS
非合法な職場や反社会的組織など。
での仕事を強いられ、犯罪行為に手を染めるものも多い。
これらの背景には、人間による融人差別や、融人の 原種由来の行動によるマナー違反 TIPS 縄張りを持つ原種の亜獣によるマーキング行為など。、原種由来の感情などがあり、多くの国で社会問題化している。
なお、これらの問題は国や地域によって様々な様相を呈している。
人間と融人が仲良く生活している地域もあれば、融人が社会に融け込んでいるとは到底言いがたい地域もある。
UNISONは「融人による犯罪行為の抑制」も重要な責務としている。
対処すべき脅威としては以下のようなものがある。
UNISONは国際機関として、融人についての科学的研究を支援し、最新のデータと知見を集積している。
これには融人による自然環境や人間社会への影響に関する研究も含まれる。
UNISONは融人の存在が各国政府に認知され始めたことで急造された機関である。
そのため融人の扱いについて組織内での意思統一がなされておらず、考え方の違いから派閥が形成されている。
派閥は大きく二分され、それぞれ融和派と統制派と呼ばれる。
この二つの態度は、UNISON内部だけでなく人間社会全体における融人への典型的な反応でもある。
融和派は、融人と人間が協力して社会を形成していくべきだとする派閥だ。
融人登録や研究支援など保護・管理部門の職員に多く、ほとんどの者が
現状の保護管理体制
TIPS
融人の自由意志を尊重し、社会的サポートを提供する体制。
を継続するべきだと考えている。
融人の大半が動植物を原種に持つという理由から、動物愛護や自然保護と混同し、過剰とも言える融人保護活動に傾倒する職員も現れている。
統制派は、人間の管理下に融人を置き、活動を制限すべきだとする職員の派閥だ。
統制派は、融人を社会の異分子と考えている者が多い。
そもそも感情的に拒絶している者や、人間の既得権益を守りたい者など、その理由は多岐にわたっている。
中には融人犯罪の被害者や、親しい者を融人に傷つけられた者など融人に強い恨みを抱いている人間が混ざっているかもしれない。
もし未登録融人が統制派のUNISON職員と出会ってしまった場合、その処遇は締め付けの強いものになるだろう。
『ガイアケアTRPG』の世界観では融人に関する法律や、融人の人権などは定義しない。
これはそれらが存在しないという意味でなく、この世界で自由にロールプレイ・創作する余地を残すためだ。
シナリオでそれらの設定が必要となった場合は、各自で創作してもらいたい。
国内各地に登録窓口を設置し、融人登録を実施している。
「融人犯罪者や反社会的な融人組織の捕獲・討伐」もUNISON JAPANの重要な業務となっている。
しかし、UNISON JAPANは友好的な融人の支援に特化した組織であり、融人犯罪者に対抗するための部隊や装備を所持していない。
また、日本においては 警察が本格的な融人対策を行うことは難しく TIPS 融人の判別や武力行使などの規定が厳しく制限されているため。 、融人犯罪のほとんどは「融人保護官」と呼ばれる民間事業者に対処を委託している。
鶴守 一茶
UNISON JAPANのトップでありトラブル対応のスペシャリスト。
その土下座は誰よりも美しい。
30代後半の人間の男性。一つ結びの長い茶髪とループタイがトレードマーク。UNISON JAPANのトップだが、外見に威厳らしいものはない。
もともと区役所の職員だったが、狸から人間に変貌したばかりの亜獣の窓口対応を混乱しながらも完璧にこなした。これをきっかけにUNISONへスカウトされ、2019年のUNISON JAPAN設置以来、空席のままだった支部長の座に就く。生来の人当たりの良さと思考の柔軟性を高く評価されており、トラブル時の対応能力に優れる。区役所職員時代のパイプが多方面にあり、インフラ系企業や地域住民にも顔が広い。
職員や担当する融人が問題を起こした際は、誰よりも美しい土下座で丸く収めている。
機械島 計介
陰気で無愛想なコンピューターの付喪。
インターネット上では非常に多弁。
外見年齢20代の男性。ボサボサの黒髪にテックウェアが目印。
家庭用コンピューター(2020年発売)の付喪であるUNISON JAPAN職員。
元はとある政治家の私用パソコンであった。
廃棄された直後に融人となり、持ち主である政治家の汚職を告発した事件で世間を大きく騒がせる。その後、政府を通じてUNISONに保護された。
その演算力とデータ処理能力を買われたことでUNISON JAPAN職員として従事している。
陰気で口数も少ないため、周囲の職員からは人間嫌いの融人だと思われている。インターネット上や特定のコミュニティの中では非常に多弁であり、意識が高い発言を連発し、しばしばひんしゅくを買っているようだ。
システム設計はお手の物であり、融人が起業する際にはITアドバイザーを務めることもある。
亀陸 優子
窓口対応満足度No.1の若き敏腕事務員。
UNISONと融人、融人保護官を繋ぐ窓口となる。
20代の人間の女性。茶色のボブヘアでガーリーな服装を好むUNISON JAPAN事務員。
自然保護に関するNPO団体の事務局で働いていた経験から、UNISON JAPAN設立以前に融人の存在を認知する。以降、個人的な興味から何年も積極的に融人たちとコンタクトを取り続け、UNISON JAPANの設立を期に転職した。趣味は食べ歩きと融人観察。
窓口を訪れた融人には献身的なサポートを心がけており、融人による窓口対応満足度アンケートでは常に1位をキープしている。
融人に関係するトラブルが起こった際は、事件の解決を融人保護官へ依頼するメッセンジャーにもなる。
融人保護官とは、融人に関わる治安維持を担う専門職だ。
主に融人犯罪への対処や、敵対的融人の捕獲・討伐を行う。
活動にはUNISONが定めるライセンスの取得が必要となる。
ライセンスを取得すると「保護官」として認可・登録され、各地で発生する事件やトラブル対応の依頼を受ける。
UNISON JAPANは友好的な融人の支援に特化した組織であり、融人犯罪者に対抗するための部隊や装備を持たない。
設立当初は、警察機関に対処を委託する方針が検討されたが、日本の警察は法制度上の制約から融人の判別や武力行使に関する規定が厳格であり、融人犯罪に十分対応する見通しが立たなかった。
その結果、融人犯罪や敵対的融人への対応は、UNISONが認可する民間の融人保護官に委託する形で制度が整えられ、現在に至っている。
同様の問題を抱えた加盟国も多く「融人保護官制度」はUNISONの定める国際ライセンスとなっており、ほとんどの加盟国に融人保護官が存在する。
融人保護官は、UNISONが定めた条件を満たしライセンスを取得することで、UNISON公認のもと融人事件の捜査権限を得て、事件対応を行う専門職である。
ライセンスを取得するには
一定以上の運動能力
TIPS
多くの場合「足で情報を稼ぐ」「急いで駆けつける」など体力を使う必要がある。
はもちろん、
融人に関する様々な知識
TIPS
亜獣の原種である動植物の生態や、付喪の原種となる道具類の知識、融人の特徴など。
や、問題解決能力が求められる。
敵対的融人の討伐・捕獲業務のほか、融人の関与が予想される未知のトラブルの調査を委託されることもある。
しかし、これらの業務は融人が起こす事件の頻度に依存するため、安定した収入を得ることは難しい。
融人保護官となる者は、ごく一部の個人事業者や企業を除いて、本業を別に持っていることがほとんどである。
強力な融人に対抗するため、融人保護官は登録融人を
原則一人までパートナーとして登録し
TIPS
融人保護官としての実績や、業務規模によって複数人のパートナー登録を例外的に許可されることがある。
雇用することができる。
パートナー登録された融人は、融人保護官と同等の捜査権限を与えられ、敵対的融人の捕獲・討伐などの職務に従事できる。
この際、雇用主である融人保護官はパートナーの融人が引き起こしたトラブルの責任を全て負う。
融人も融人保護官のライセンスを取得することが可能である。
しかし、人間の融人保護官を伴わない形での開業は認められず、UNISONから正式に業務委託されることはない。
非正規の融人保護官として敵対的融人に立ち向かう融人も少数いるが、全て自警団員として扱われており、場合によっては正規の融人保護官による討伐対象となり得る。
鴇沢 宗光
対融人戦闘のスペシャリスト。
国内最強の融人保護官として讃えられている。
銀灰色の髪をした30代前半の青年。
服越しにも分かるほどに鍛え抜かれた強靭な肉体を備えており、対峙した者を圧倒する威圧感を放っている。
鴇沢は純粋な人間でありながら、様々な能力が人間離れしている。人類最強格の戦闘能力を持ちながら、知能も高く冷静沈着であり、その身に一切の隙が無い。鴇沢の派遣はUNISON JAPANの最終手段である。人類にとっては希望の存在だが、融人にとっては恐怖の存在だろう。
鴇沢が産声を上げたとき、分娩室にいる誰もが、特別な人間の誕生を直感したという。
鴇沢の両親は、一般的な中流家庭であったが、資産のほとんどを鴇沢の英才教育に費やし、惜しみない愛情を注いだ。その甲斐あってか、鴇沢は優秀な人格者に成長する。幼少の頃より様々な格闘技を修め、勉学に励み続けた鴇沢は、大学卒業後に警察庁へキャリアとして入庁し、さる特殊な部署に回された。5年ほど融人を含む特殊な存在に関わる任務に就いていたが、とある事件をきっかけに退職を決意。
以来、相棒の亜獣である幌上銀と共にフリーの融人保護官として活躍している。
鴇沢は、持ち前の格闘技術に加えて、対融人用に作られた様々な武具を駆使して戦闘する。捕獲・追跡のために用いる特殊な機器も複数所持しており、過去、鴇沢に狙われて無事であった融人は1体しかいない。
人類史には、しばしば鴇沢のような人間が登場した記録がある。彼らは、人類滅亡の危機に偶然誕生し、厄災から人々を救う。鴇沢の生誕と同時期に、世界各国で彼と同様の存在が誕生したことが判明している。彼らの誕生は、人類に過去最大の危機が訪れたことを知らせる警鐘なのかもしれない。
『ガイアケアTRPG』の世界では、稀に鴇沢のような人間が生まれる。彼らは共鳴レベルが10を超えても逸脱しない稀有な存在だ。シナリオに鴇沢のようなキャラクターを登場させる場合、共鳴レベルを自由に設定することができる。このようなキャラクターが〈オリジン〉を使う場合、逸脱後の〈オリジン〉として使用できる。
幌上 銀
故郷を焼き払った融人を追うエゾオオカミの亜獣。
鴇沢 宗光の相棒であり、好戦的な融人保護官として恐れられている。
乱れた黒髪に鋭い眼光を宿した、外見年齢20代後半・実年齢10歳未満の男。
粗暴かつ好戦的で、討伐対象となった融人に容赦がない。筋力と敏捷性に優れ、手近な物は全て武器として扱う器用さを持ち合わせる。当然、戦闘能力は高い。純粋な格闘技術は鴇沢に劣るが、環境や装備次第では、鴇沢を上回る可能性もあると評されている。
幌上は、人間が発見できなかった最後のエゾオオカミである。北海道中部の山林で育った幌上は、人間の狩猟者から身を隠す為に、巨大なフキ畑の下に隠れ住んでいた。同種がいない孤独を癒すのは、時折聞こえるフキの歌だった。フキの融人がいたのか、ただの風切音だったのかは今となってはわからないが、その歌は幌上にとって唯一の楽しみであったことには違いない。狩りをして腹を満たし、丘で日差しを浴びて、フキの歌を聴く。それだけで幌上は満たされていた。
そんなある日、歌を聴きにフキ畑に来た幌上は、何もかもが焼け跡となった凄惨な光景を目の当たりにする。開けた焼野原には一人の幼女が横たわっていた。人間とは言え、幼女を哀れに思った幌上は、彼女を背に乗せて近隣の山に移動する。幸い、半日足らずで目覚めた幼女は、幌上を恐れることなく、自身がフキの越境者であること、そしてフキ畑が焼けた原因を語った。
ほどなくして、後を追うように融人化した幌上は、フキ畑を燃やし尽くした犯人を探す旅に出る。危険を伴う復讐の旅には連れていけないと、フキの幼女は置いていこうとしたが、頑なに着いて来ると聞かず、仕方なく同行を許可した。
目撃証言を頼りに東京まで訪れた幌上は、UNISONの存在を知り、晴れて登録融人となる。UNISONの力を借りれば、犯人が早く見つかると考えたからだ。この時、融人保護官という天職があることを知った幌上は、偶然支部に訪れていた鴇沢と出会い、フキの幼女の懸命な仲介によって、パートナー登録に至る。
日本で未登録融人として生きたければ、関東近郊にいるべきでない。鴇沢・幌上のペアは、都内を拠点としているからだ。UNISONからの討伐依頼が出ずとも、幌上の目に留まっては意味が無い。それを知らずに幌上と出会ってしまった不運な未登録融人は、彼の側に緑髪の少女がいることを祈るしかない。彼女が側にいれば、荒ぶる幌上を抑制してくれるだろう。
幌上 白
故郷と仲間を焼かれた悲運なフキの越境者。
幌上 銀と同郷の幼馴染にして抑止力。
透き通るような白い肌に薄い緑の髪が特徴的な、外見年齢10歳未満、実年齢30代前半の女性。
外見に不釣り合いな落ち着きと社交性をもっており、社会通念も熟知している。
基本的には礼儀正しく、誰に対しても社会人らしい対応をするが、銀に対しては建前を崩し、喚き散らす様子が見られる。その光景は口うるさい姉と弟、もしくはぶっきらぼうな兄とやかましい妹を想起させるようだ。
白は北海道に古くから住まうフキの越境者である。フキの越境者たちの歴史は深く、現地民には精霊として語り継がれている。
銀と同郷で、彼との付き合いは非常に長い。銀が原種のエゾオオカミの子どもであったころからその様子を見守っており、寂しくて夜泣きする銀に子守歌を歌っていた。白は同種で共同体を築いており、銀が物心がついて、自身で狩りができるようになるまでは、彼女たち全員で育てていたのだ。銀が自立してからは、時折帰ってくる銀にこっそりと歌を届け、その成長を楽しみに見守っていた。
この平和は、ある一人の越境者が誕生したことで唐突に終わりを迎える。その日は珍しく人間がいない日で、皆がフキの影から顔を出して過ごしていた。すると、風上から焦げ臭いにおいが漂い始め、次の瞬間にはフキ畑が炎に包まれる。瞬く間にフキと同種は燃えていき、咄嗟に川へ飛び込んだ白だけが生き残った。焼野原となった故郷を見て気絶した白は、偶然訪れた銀に助けられることになる。その後は、復讐に燃える銀を抑制するため旅に同行し、兄妹として過ごしている。
銀が融人保護官として現場に出る際も行動を共にしているところを見られるが、白が勝手につきまとっているというのが実際である。銀にとっては邪魔かもしれないが、鴇沢は非常に助かると思っているようだ。悪心の無い未登録融人に銀の脅威が迫ったとき、その先触れとして警告、あるいは忠告をしに訪れることがあるかもしれない。
浜矢 入鹿
保護したシャチの亜獣を養う独身パパ。
常に金欠で、子育てに追われている。ライフセーバーが本業であり、融人保護官も兼業している苦労人。
黒髪短髪で、日に焼けた小麦肌をした20代前半の青年。表情は日頃の疲れがにじみ出ており、くたびれているように見えるが、水泳で鍛えられた健康的な肉体を持っている。
本業はライフセーバーだが、シーズンオフは海獣のハンドラーとして活動している。
融人保護官のライセンスも所持しており、UNISONからの委託契約で海辺を定期巡回し、海洋生物由来の融人に関するトラブルに対応し、保護やサポートを行っている。
浜矢の人生は、浜に打ち上げられて気絶していた子どもを保護したことで大きく変わる。
目覚めた子どもは、自身がシャチの亜獣であり、両親は北の海のどこかにいると話した。
UNISONに報告に向かい、亜獣の子を預ける直前、浜矢は子どもの処遇について尋ねた。UNISON職員からの回答は、専門の擁護施設に送るというものだった。次に口を突いて出た言葉は「それなら僕が雇います」だった。浜矢は、今振り返ってもなぜあのようなことを言ったのか分からないと言う。以降、浜矢は一人の子を持つ父となった。「独身な上に、彼女すらいないのに何故……?」と、何度も己の現状を嘆くことが多々あるようだが、子を見るとそれらの感情は消えてしまうのだという。
今では、父親がしっかりと板についており、実の親子と間違われることもしばしばである。子育てに追われ、全てが後回しになっているが、泳ぎはアスリート級で海洋生物由来の融人の特性には非常に詳しく、非常に優秀な人材である。
海にまつわることで何か困ったことがあれば、由比ヶ浜の海沿いにある赤い尖り屋根のカフェに行ってみると良いだろう。
天守 昇留
非常に無口なシャチの亜獣。
自身を保護した人間の恩に報いるため、様々なことを勉強中。
外見年齢、実年齢共に10代前半の、深い紺色の髪をした無表情の少年。色白で華奢な子どものイメージを絵にかいたような見た目をしている。
非常に無口で、保護者の浜矢ですら彼の声を聞いたことは一度か二度あるかどうか……といった程度。
実は知能も身体能力も高く、特に泳ぐスピードは浜矢に匹敵する。
天守は、自身を保護した浜矢に並ならぬ感謝をしている。そして、それ以上に自身のせいで貧乏生活を強いられている浜矢に申し訳なく思っているようだ。少しでも恩に報いるため、オンシーズンは海の家を手伝ったり、浜辺の見回りなどをしている。最近は、少しでも家計を支えられるようにと、簿記の勉強を始めたらしい。
無口なのは元来の性格であるため、口がきけないということは無い。
もし、常識的なお小遣い稼ぎの方法を知る共鳴者がいれば、是非教えてあげて欲しい。天守は義理堅く、後に予想外の助力が得られるかもしれない。