プロローグ

ある日、目が覚めると人間になっていた。

元はいわゆる畜生、草木、器物の類であったはずだが、今朝は目覚めと共に上半身をもたげ、二本の足で立ち上がる。視界は広く色鮮やかに見え、思考は鮮明でとめど無く回る。

導入
── 共鳴者とDPCの出会い ──

たった今、人間の姿形を手に入れた共鳴者は、出会いに恵まれ、あなたを人間社会に導くDPCと出会う。DPCは偶然居合わせた心優しい者かもしれないし、元がペットであったのなら飼い主かもしれない。あなたがDPCの私物であった場合もあるだろう。

とにかく、DPCは得体の知れない人型のあなたを受け入れ、共鳴者のように突然に人化した存在が『融人』と呼称されること、融人たちは人間社会で生きることが可能であること、その為には手続きが必要であることを説明してくれる。

得体の知れない成り立ての融人が手続きをするには『国際連合 生物及び自然保護機構United Nations Institute for Safeguarding Organisms and Nature』通称:UNISONの窓口に行かなくてはならない。

共鳴者はDPCの案内に従い、UNISON日本支部がある新宿区へ向かうことになる。

UNISON日本支部
── 融人登録 ──

UNISON日本支部は、新宿区西部にビルを構えている。

入口は省庁らしい清潔感と格調を備えた外観をしており、屈強な警備員と、死角のない監視カメラで万全のセキュリティを敷いているようだ。

総合窓口

警備員の一瞥を受けながら庁舎に入ると、広い待合室の先に役所らしい総合窓口があり、人当たりの良さそうな女性職員が笑顔でこちらに手をあげていた。

首から下げられた名札には『UNISON JAPAN職員 亀陸』と書かれている。

スチルイラスト: Still_kameokayuuko.png

亀陸

「こちらでご用件をお伺いいたします! 融人に関する事件の相談は、2階相談窓口へ。融人のご登録でしたら、こちらにご記入をお願い致します!」

DPCは共鳴者が自身で対応するように促すべきだ。

これから始まる人間社会での生活において、必ず必要となるコミュニケーションの第一歩である。

共鳴者が亀陸に応答すれば、記入の方法を教えられる。もしくは口頭で伝えた内容を代筆してくれるだろう。

名前

「まず、お名前はありますか? 無ければ後ほど考えるのでも構いません。これからずっと使っていく大事なことなので、ゆっくり考えてください!」

種別

「次に、種別を教えて頂けますか? 融人の種別とは、原種……人間の姿になる前の分類を元に3種に分かれています。動植物であった場合は『亜獣』、人工物または無機物であった場合は『付喪』、原種の頃から特別な能力をもっていたり、分類が不可能な存在であった場合は『越境者』となります!」

原種

「続けて原種も教えてください!」

年齢

「年齢は、原種換算で構いません。後程こちらで原種の寿命、外見、知能……などなどに合わせて相応の人間年齢に設定致します!」

※例えば、柴犬の寿命は15歳前後とされている。共鳴者が3歳の柴犬であった場合、20代後半の年齢に設定される。RPに反映するかどうかはPLの判断で自由に決定して良い。

性別

「身体的性別を教えてください。無性や雌雄同体など様々な方がいらっしゃいますから!」

終了

「お疲れさまでした! 次は面談となりますのでこちらへどうぞ。お連れの方もご一緒で構いません!」

初期情報の記入が終わると、奥の個室に案内される。

この際、共鳴者が質問を亀陸に投げても、彼女は一介の事務員に過ぎないため、融人についての専門的なことは回答できない。それらの質問はこの後の面談担当者に投げることをお勧めする。

面談

亀陸に案内された別室は、診療室のような雰囲気の部屋だ。共鳴者は、デスクに座っている見るからに穏やかで大らかそうな中年男性に招かれる。

中年男性の首から下げられた名札には『UNISON JAPAN支部長 鶴守』と書かれている。

鶴守は亀陸から引き継いで、共鳴者のルーツやパーソナリティについて質問する。形式ばった質疑ではなく、カウンセリングのように和やかな会話になるだろう。

少し離れたデスクで、会話に応じてPCに文字入力をしている男性職員が控えているが、それについては気にせず話すように言われる。

スチルイラスト: Still_tsurumoriissa.png

鶴守

「こちらでは、あなたの生い立ちだったり、どんな方なのかを教えて頂きます。緊張しなくても大丈夫ですよ。軽い雑談のつもりでお答えください。言いたくないことや分からないことがあったら遠慮なく言ってね」

鶴守は、いきなり質問を浴びせるようなことはしない。茶番や世間話を交えながら和やかな会話になるよう心掛ける。それでも共鳴者が答えに詰まったり、感情的になる場合は、DPCが手綱を取る必要もあるかもしれない。

出身

「君の原種は〇〇のようだけど、どこで生まれたとかは覚えている? お連れの方とはどこで出会ったんだい?」

身体的特徴

「改めて見ると、君の姿は原種の〇〇らしさがあるねえ! 今は融人に成りたてのようだけど、君たち『融人』は原種の力を引き出すことができる。その際に体の一部が原種の特徴に変化する場合もあるんだ。これについては後ほど専門家に教えてもらうと良いよ。多用することはオススメできないけれど、制御する必要はあるからね」

性格

「君は〇〇な人だね。僕とこうしてお話しできているから、これからの生活でも問題なさそうだ」

経歴・関係のある人々

「僕は融人のみんなが話す、原種の頃の思い出話を聞くのが好きなんだ。人間では経験できない視点や価値観を聞くことができるからね。長命の貝の亜獣から聞いた400年前の話とか、隕石の付喪から聞いた宇宙の話なんて凄かったよ! この仕事で一番おもしろいと感じるところだね」

好きなもの・嫌いなもの

「原種が〇〇ならその好き嫌いも納得だね! でも、〇〇が好きなのは意外だったな。君個人の好みなのか、種全体のものなのかが気になるところだ。やっぱり人間は他の生き物のことを全然分かってないねえ……」

共鳴感情

「君は表面的には(表)な人だけど、(裏)のような側面もあるように見える。それらは(ルーツ)のような部分に由来しているのかもしれないね」

終了

「お疲れ様。いろいろ話してくれてありがとう。君なら問題なく人間社会で過ごすことができると思うよ。登録まであと少しだから頑張ってね」

面談が終わると、鶴森は文字入力をしていた男性職員の元に案内する。

その職員は、共鳴者のデータを登録したり、様々なステータスを分析する役割の者だと説明される。

能力解析

案内されたPCデスクでは、陰気で若い男性職員が共鳴者の情報を入力していた。

男性職員の首から下げられた名札には『UNISON JAPANシステム開発室室長 機械島』と書かれている。

共鳴者と鶴守が近づくと不愛想に事務的な応対をされるだろう。

もし、共鳴者がよわよわしい態度で接するなどして、彼に自身より下位の存在と格付けされた場合、通常よりも多弁になり、余計な知識をひけらかすようになるかもしれない。

スチルイラスト: Still_kikaijimakeisuke.png

機械島

「こちらでは、あなたのステータスを数値化します。複数のカメラでスキャンした身体情報と面談での会話記録から、身体的、精神的観点から8つの能力値に分けて表しました。こちらの画面をご確認ください」

「見かたが分からない? これほどシンプルなUIが理解できないのはヤバイよ君。今デジタルを避けて生きていくことはできないから、登録が終わったら勉強した方が良いね。オススメのAIは『赤竜』かな。LKS産のも悪くないけど、たまに嘘付くし、指摘すると言い訳されて鬱陶しいんだよね。君はファクトチェックできないだろうし、そもそも……」

こうなった場合の彼は無限に話すため、ほどほどで鶴守かDPCに制止させるのが良いだろう。

身体

「筋力や運動能力などの身体的な能力です。体力や耐久力に直結します。融人の『身体』が低い場合は、人間の体を上手に扱えていないということにもなります」

器用

「手先の器用さや技術、芸事や工作などをこなす能力です。人間が他生物より秀でているのは器用さといっても過言ではありません。快適な日常生活に直結する能力でしょう」

精神

「感情の豊かさや意志の強さ、共感力などの精神的な能力です。身体能力や器用さに比べて、日常生活に直接的な影響が少ない能力でしょう。僕は根性論が好きではないので優先度が低い能力だと思っています。しかし、人間は精神状態がパフォーマンスに影響を及ぼすのも事実ですので、無駄というほどでは無いでしょう」

五感

「五感を用いて何かを察知する感覚的な能力です。五感が何かは自分で調べてください。快適な日常生活に最も影響を及ぼす能力といっても過言ではありません。感覚器官の問題ですので、後天的に向上させるのが最も難しい能力です」

知力

「論理的に考え判断したり、情報を記憶・処理する能力です。融人であれば、原種の頃との能力差に最もギャップを感じる能力かもしれません。人間に必要不可欠な能力です。特に平和な日本では、知力さえ高ければ他の能力が多少低くても快適に過ごせます。僕がそうです」

魅力

「外見的な魅力やカリスマなど、人に好かれる能力です。この能力は人間社会では地味に役立ちます。人間は先の『知力』に個体差があり、個人によって“最適”の判断基準が異なります。『知力』の低いものは論理的思考に欠けるため、この判断が『魅力』に左右されることが多いです。時には理屈を超えて他者の協力や支持を得ることができるでしょう」

社会

「立場や信用、資金力や教育レベルなどの社会的な能力です。なぜかこの世界ではほぼ役に立ちません」

真価

「原種の記憶を引き出す能力。原種の根源的な能力です。この能力は、説明するよりも体感する方がいいでしょう」

終了

「お疲れさまでした。次は技能測定になります」

機械島は、事務的に次のプログラムに案内する。

移動中、次のプログラムは広い部屋が必要であること、UNISON職員ではなく『融人保護官』なる民間の専門家が対応するという最低限の解説はしてくれるだろう。

技能測定

案内されたのは、八方が分厚いクッション性の壁に覆われた広大な部屋だった。

上部には防弾ガラスで遮られた別室が備わっており、そこから部屋を見下ろす複数の職員たちは、これから行われるプログラムを観察する姿勢のようだ。

部屋の中心には銀灰色の髪をした青年が立っていた。青年は、服越しにも分かるほどに鍛え抜かれた強靭な肉体を備えており、対峙した者を圧倒する威圧感を放っている。

機械島

「彼は融人保護官の『鴇沢宗光』さんです。融人保護官とは、融人に関わる治安維持を担う民間の専門職です。主に融人犯罪への対処や、敵対的融人の捕獲・討伐を行って頂いています。技能測定や融人特有の能力である『融化』には、融人の知識が豊富な専門家が必要なので、協力を依頼している次第です」

鴇沢は共鳴者に歩み寄ると、挨拶を交わしてくる。

鴇沢の声は抑揚が少なく平たんで、面持ちは無表情に近いが、不思議と冷たさはなく落ち着いた印象を与える。

スチルイラスト: Still_tokizawamunemitsu.png

鴇沢

「融人保護官の鴇沢です。このプログラムでは、あなたにどのような技能が備わっているのか、それがどの程度のレベルであるのかを測定します。まずは、『オリジン』と『融化』の解説から始めていきましょう」

オリジン

「生物は、各種ごとに様々な特徴を有しています。それらの特徴を発揮する能力を我々人間は『オリジン』と名付けました。このオリジンは各人の根源に由来するようで、融人化したあなたの場合は、原種である〇〇の特徴が引き出されることでしょう。オリジンを使いこなすことができれば、ヒトの体を持ちながら原種固有の能力を使用することができます。例えば、今世界的に支持を得ているとある歌手はワタリガラスの亜獣であることが判明しています。熱狂的な支持の理由は、カラスの鳴き声に仲間の共感を得る効果があるからでしょう。攻撃力の高い特徴を備えた融人であれば、身を守ることにも使えます。融人のあなたは、より高いレベルでオリジンを発揮できると良いでしょう」

オリジンのデメリット

「ただし、オリジンの短期的な多用は控えた方が良い。融人がオリジンを使用すると身体の一部が変貌し、原種の特徴が現れます。連続使用すると、変貌は徐々に広がり、限界値を超えると人間の姿に戻れなくなってしまいます。さらに、近年の研究でオリジンの使用で他者に悪影響が出ることも判明しました。オリジンを多用した者の力が人間社会に悪影響を及ぼすと判断された場合、融人保護官の討伐対象となる危険もあります。オリジンの使用は計画的かつ安全に行ってください」

融化

「『融化』は、融人にのみ起きる現象です。通常、人間の技能は各人の能力と練度によって向上しますが、融人は原種の記憶、経験などから人間としての能力に依存しない技能が向上している場合があります。例えば、運動神経があまり良くない融人がチーターの亜獣だった場合、身体能力に見合わない走力を発揮するなどです。あなたにもいくつかそのような技能があるかもしれません」

真価

「これらは全て、原種の力を引き出す能力に依存します。先の能力解析にあった『真価』の数値が高いほど、より高いレベルで技能を発揮することができるでしょう」

汎用技能①

「日常生活において、注意力は重要な役割を持ちます。〈観察眼〉か〈聞き耳〉に優れていると良いでしょう。もし、あなたが『五感』に優れず、『精神』に優れているのであれば〈直感〉に頼っても良いかもしれません」

技能取得後、鴇沢はコインを放り投げると、両手を振って空中で手に取る。この時、鴇沢の腕は消えたかと見紛うほどに高速であった。〈観察眼〉〈洞察〉〈直感〉の技能にダブル以上で成功すれば、どちらの手にコインが握られているかを当てることができるだろう。

判定コピペ用(以降の技能判定でも利用する)

2DM<=6 2DM<=7 2DM<=8

当てた場合、観察していた職員たちが驚嘆している様子がうかがえる。

汎用技能②

「融人は、一般人よりも厄介ごとに巻き込まれる確立が高いというデータが出ています。危険を未然に防ぐ技能も重要です。〈危機察知〉が高いのが一番望ましいですが、『身体』に優れているのであれば、〈スピード〉にものをいわせて、物理的に危険から脱するのも有効でしょう」

技能取得後、本格的な技能測定が始まる。部屋の一方から銃身のような機材が4つ現れる。それぞれの銃身にはライトが付いており、3カウントの後に赤く点灯した銃身から発砲音が鳴る。直後、共鳴者の体の一部が赤い丸に照らされ、ビーという警告音が響き渡った。本技能測定は、拳銃の回避を想定したギミックであり、被弾した場合は被弾個所が赤く照らされ警告音が鳴る仕組みのようだ。順に赤く点灯していく銃身の射線から、外れることができるかどうかで測定される。

DLがロールする4DM<=5の成功数を、PLがロールする〈危機察知〉〈スピード〉の成功数が上回っていれば、回避に成功したことになる。

3回ほど繰り返せば、測定終了が告げられる。

全て避けることができれば、鴇沢は共鳴者を称賛するだろう。

鴇沢

「凄いな。この測定は何度も見ているけど、全て避けた人は数えるほどしかいませんでした。ルールの理解度、敏捷性ともに素晴らしいです」

汎用技能③

「人間社会では、知りたいことがあった場合に、自身で答えを得る必要に迫られます。書籍やPCなどで〈検索〉したり、少ない手がかりから〈洞察〉する能力に優れているのが望ましいでしょう。最悪〈直感〉でも構いません」

技能取得後、本格的な技能測定が始まる。とある難問と、大量の参考書とインターネット回線に繋がったスマートフォンが用意される。

〈直感〉であればトリプル成功以上、〈検索〉であればダブル成功以上、〈洞察〉であればシングル成功以上で難問の答えを探し出すことができる。

回答に成功すれば、端に待機していた機械島が共鳴者に興味を示す。

機械島

「なかなか聡明ですね。周辺機器を揃えるのは困難でしょう。必要だったら使わなくなったデバイスをいくつか譲りますよ」

汎用技能④

「今まで測定した技能以外で、あなたが得意とする技能はありますか? それに応じて、私が即興で測定させてもらいます。どのような技能でも問題ありません」

技能取得後、鴇沢は各技能に応じた簡易なテストを行う。鴇沢宗光は融人保護官の中でも知能、戦闘において隙の無い上澄みの存在である。よって、そのような技能でも適切な測定ができるだろう。DLは、PLの取得した技能をロールできるようなイベントを用意すると良い。

例① PI-RやSPIなどを含めた独自の適性検査を行う。鴇沢の〈心理〉2DM<=8と共鳴者の〈社交術〉で競わせ、鴇沢の成功数以上であれば、高い適正をもつと判断される。

例② 匂いの付いた液が希釈度合いに応じて5段階に用意される。共鳴者は濃度の低い順から嗅ぎ、最初に「匂いがある」と答えた段階を記録する。〈毒見〉をロールし、最初に気付く場合はミラクル成功、2番目に気付く場合はトリプル成功、3番目に気付く場合はダブル成功、4番目に気付く場合はシングル成功、失敗の場合は最後の液にだけ反応を示す。

運動・格闘技能

「適正、進路にもよりますが、一定の運動技能があるに越したことは無いでしょう。もし、身体能力に自信があり、諜報や軍事、もしくは私のように融人保護官を目指すのであれば、戦闘技能も必要になってきます。運動技能であれば原種に適した技能が優れているかもしれません。〈武術〉は研鑽が必要ですが、最後にその適正を測定します」

模擬戦闘

その直後、室内に現れたのは、乱れた黒髪に鋭い眼光を宿した野性味に溢れる男だった。

男は、見るからに粗暴な外見に相応しく、荒々しい歩調で共鳴者の前に立つ。

スチルイラスト: Still_horogamigin.png

幌上

「融人保護官の幌上だ。お前には今から俺と模擬戦をやってもらう。好きに攻撃してこい。俺からは、まぁ、後遺症にならねえように気をつけてやる。痛ぇ思いしたくなかったら気を抜くな」

そういうと、拳を構えて共鳴者と対峙する。

戦闘:幌上 銀

HP MP イニシアチブ
16 5 9
身体 器用 精神 五感 知力 魅力 社会 真価
6 5 2 6 3 2 1 6

【格闘技能】
〈殴打(手加減)〉 3DM<=9 ダメージ [成功数]D3+3
〈蹴り(手加減)〉 3DM<=8 ダメージ [成功数]D4+3

【回避技能】
〈スピード〉 3DM<=9

共鳴者が戦闘技能を取得してない場合、幌上は回避能力と対応能力だけを測る。何初子攻撃を繰り出し、共鳴者が回避に成功する、もしくは共鳴者のHPが0になった時点で測定を終了する。

戦闘技能を取得している場合は、実際の戦闘と同様に行う。

共鳴者が幌上に一撃を与える、もしくは共鳴者のHPが0になった時点で測定を終了する。

この際のHPは戦闘不能という扱いとし、軽傷なうえに、命に別状はないものとする。

融人戦闘

共鳴者が戦闘技能を取得し、幌上に一撃を与え、今後の方針として戦闘に身を置くつもりがあるなら、幌上は戦闘終了を認めず、模擬戦闘を続ける。戦闘を続ける理由は、共鳴者の行動に寄るだろう。想定以上に重い一撃を受けたことで感情的になっているかもしれないし、共鳴者を見込んで手本を見せようとしているかもしれない。

いずれにしても、幌上は職員や鴇沢の静止を無視して〈オリジン〉を使用した戦闘を続行する。

「融人の戦闘能力はこんな茶番じゃ測れねえよ。俺たちは人間じゃねえんだ。殴る蹴るで戦って何の意味があんだよ! オイ、お前も原種の力を使え。使わねえと死ぬぞ」

そういうと、幌上の身体が変貌する。

肩から腕にかけてうっすらと毛が逆立ち、爪は鋭利に伸びていく。荒い息を繰り返し、喉の奥で低い唸りが漏れた。その口の端からは鋭く白い牙が覗いていた。

共鳴判定(強度9/上昇1)

∞共鳴感情:[怒り(情念)憧憬(理想)孤独(傷)]

スチルイラスト: Still_horogamiginwolfver.png

戦闘:幌上 銀(オリジン使用)

HP MP イニシアチブ
16 5 9
身体 器用 精神 五感 知力 魅力 社会 真価
6 5 2 6 3 2 1 6

【格闘技能】
〈爪〉 5DM<=8 ダメージ [成功数]D4+1D5
〈牙〉 5DM<=6 ダメージ [成功数]D5+1D5

【回避技能】
〈スピード〉 3DM<=9

暴走した幌上との戦闘にはDPCも参加することができる。DPCがロールした際の成功数は、共鳴者の成功数に上乗せして判定すると良いだろう。

共鳴者が幌上に一撃を与える、もしくは共鳴者のHPが0になる攻撃を受ける前に終了する。

共鳴者の致命傷になりそうな攻撃が発せられたとき、鴇沢が割り込み、幌上を組み伏せて静止を促す。

鴇沢

「やりすぎだよ銀さん。彼(彼女)の戦闘能力はもう十分にわかった」

狂暴な亜獣である幌上を一息のうちに制圧した鴇沢の実力が伺えることだろう。

鴇沢、幌上は融人保護官の中では上澄みであるが、共鳴者が融人保護官を目指すのであれば、彼らに及ばずとも高い実力を付けなくてはならない。

鴇沢

「それにしても、あなたたちの連携には目を見張るものがありました。お二人で融人保護官を目指してみては如何でしょうか」

鴇沢は共鳴者たちの戦闘力と連携を称賛する。

共鳴者たちの関係によっては、後に融人保護官として活躍する将来も選択に入るかもしれない。

登録融人

全てのプログラムを終了させることで、共鳴者は晴れて『登録融人』となる。

登録融人となれば、UNISONよる社会的サポートを受けることができるようだ。

詳細については、支部長の鶴守から説明される。

鶴守

「お疲れ様、大変だったね……。でも、これで君は登録融人として、人間と変わらない生活を送ることができる。そのためのサポートも我々が行っているんだ。学校の紹介や職業の斡旋、人間社会の勉強会とかもやってるから、困ったらUNISONにおいでね。住居だけれど、DPCさんが良ければ同世帯にすることも可能だけどどうでしょう?」

この選択は二人の関係地によるだろう。鶴守は、住居の紹介は手続きが多く、非常に手間であることから、同居を推奨する形で口添えしてくるだろう。

住居の方針が決まれば、いよいよ登録融人として、人間としての生活が始まる。

窓口まで見送りに来たUNISONの職員と、融人保護官の二人から送り出されることになるだろう。

亀陸

「今回は鴇沢さんと幌上さんがいたから特別大変でしたね~。でも、あんな怖いことはそうそうないでしょうから、これから何があっても大丈夫ですよ!」

鶴守

「これから大変だと思うけど頑張ってね! 我々は融人と人間が共生できるように尽力しています。困ったことがあったらいつでもおいで。僕たちは君たち融人の味方だから」

機械島

「お疲れさまでした。融人についての各種資料はHP(https://gaiacare.dicetous.com/world/)をご覧ください」

幌上

「大した怪我してねえじゃねえか……。まぁ、一応悪かったよ。だが、もしお前が融人として悪さしたら、俺は仕事でお前をぶちのめすことになる。そん時は怪我じゃ済まねえからな。肝に銘じろ」

鴇沢

「私と銀さんのように、人間と融人はそれぞれの特徴を活かし、尊重しながら共生の道を歩んでいます。文化の違い、相容れない種族、原種差別……。世界中で問題は山積していますが、あなたとDPCの関係が好例となり、良い未来の一助となることを願っています」

見送られた共鳴者たちは、UNISON庁舎から一歩を踏み出す。

改めて見ると、都心の新宿には様々な人間が往来していた。彼らの中にも、ひっそりと人間社会に溶け込む融人がいるのだろう。しばらく雑踏を進んでゆけば、人の怒鳴り声と悲鳴が聞こえてくる。

一方では半獣化した融人と人間が喧嘩をし、一方では不健康な肌色をした軟体の融人が女に絡んでいた。

共鳴者はふとDPCと目が合う。その時、改めて自身がこの雑多な地球で生きていくのだと認識する。

困難は多いだろう。いつまで人間でいられるかもわからない。しかし、少なくとも、退屈する暇はなさそうだ。

残響

本シナリオを生還した共鳴者は、残響をひとつ獲得すること。 

残響

[∞残響:UNISON Information /(共生)]

継続

本シナリオで作成した共鳴者とDPCは、継続キャラクターとして他シナリオをプレイすることを強く推奨する。その際、共鳴者とDPCは必ずしもセットである必要はない。