怪物たちのララバイ

概要
▍推定プレイ時間
ボイスセッション3〜4時間
▍推奨プレイ人数
1〜3人
▍舞台
現代日本・新宿区
▍推奨技能
シティ探索を行うため、調べごとに適した技能は役に立つだろう。
そして〈心理〉などの人の心を汲み取るための技能は良いエンディングを迎えるためには重要だ。
共鳴者作成
本シナリオのプレイヤーキャラクターはガイアケアTRPGにおける『融人共鳴者』でなくてはならない。
新宿を仲間と歩き、何かに巻き込まれて、そして事件を追いながらこの『ガイアケアTRPG』の世界について少しずつ理解や思考を深めていく、というのがこのシナリオの目的である。
種族に特に縛りはないが、同じ境遇である彼らと一緒に行動できるような人物であることが好ましいだろう。
また、舞台は夜の新宿となる。この街に来るような用事を持っており、出歩いても補導されないような共鳴者であるべきだ。
プレイヤー向けあらすじ
それぞれの私用で新宿を歩いていた共鳴者たち。突然巻き込まれた事件の中で、狼を原種とした融人の男性に出会うだろう。
そして彼は共鳴者たちに頼みをひとつ申し出る。
──「僕の娘を一緒に探してくれないか」、と。
シナリオの傾向
本シナリオは「ガイアケアTRPG」における数多ある可能性のひとつを描くものである。融人共鳴者たちが自分たちの能力を駆使して激しく衝突し合うような展開ではなく、全体としては落ち着いた、しっとりとした空気感の中で物語が進んでいく。
内容はガイアケアTRPGの世界観を「融人共鳴者」として体験する導入部に重点を置いており、システムに含まれる多様なルールをかいつまんで触れられる、プレイヤーにとっては体験的なチュートリアルの役割も果たす。
このシナリオを経ることで、プレイヤーは自身が今後どのような共鳴者としてガイアケアTRPGを遊ぶのか、その指針を見出す手がかりとしてもいいだろう。
シナリオ背景
近年、新たにその存在が公に知られるようになった「融人」という人ならざる存在により、社会は混乱の渦中にあった。融人を受け入れ、共生の道を模索する者がいる一方で、恐怖や嫌悪を抱き排除を望む者も少なくない。
UNISON内部でも意見は割れており、その中でも「統制派」と呼ばれる一派の過激分子は、裏で融人の排斥活動を進めていた。当初は純粋に思想に基づいた行動であったが、やがて内部の事情は複雑化する。中には融人を人体実験にかけ、その成果を研究機関に流すことで資金を得る者まで現れた。その資金を元手に、彼らは表向きボランティア活動を装って若者を集め、同じ思想を持つ人間を取り込み、手駒として利用していったのである。
しかし、多くの人を集めたことで内部の目的の違いや不協和音も目立つようになり、組織は瓦解寸前の不安定な状態にあった。そんな中で、共鳴者たちが融人であるという情報がUNISON内部から漏れたのか、あるいは別の経路で流出したのかは定かではないが、それがきっかけとなり、今回の拉致未遂事件が起きたのである。
共鳴者たちは自分の首輪を外すため、もしくは戌井の娘を探すために、新宿を駆け回ることになる。
その先で見るものは、自分たちにも起こりうる様々な未来の可能性だった。
NPC
戌井 瑛
年齢: ?
職業: タクシードライバー
表: 庇護(関係) 裏: 哀しみ(情念) ルーツ: 諦観(傷)
備考: 銀に弱い
温和な性格の融人。基本はオオカミの亜獣と同じだが、狼男と同じ性質を持ち、銀が苦手であったり満月の夜はちょっとテンションが高かったりする。
能力はそこそこ強いのだが、性格はどっちかというと自罰的な性格をしている。人が好きで聞きたがり。共鳴者たちのことにも興味津々である。
原種は田舎の山奥で唯一生き残った狼。永い時間を孤独に過ごしたが、偶然人間の女性に出会ってしまった次の日に、融人として人の形を取るようになった。
その人間の女性との間に子供が生まれ、その子もオオカミの越境者である。
妻は人ならざるものを産んだことが影響したのか、元から体が弱かったことが祟ったのか、娘を産んだ時点で亡くなっている。
普段は田舎でタクシードライバーとして働いていた。
自分の足で走らない車というものに興味があったのと、乗ってくれた人の話を聞いてみたいから。
彼の行き着く未来は、残念ながら哀しいものである。DLはこの人物に対して、PLPCが好意的に接してもらえるようなRPを心掛けるといいだろう。
神楽 羊子

年齢: 22
職業: 元ホステス
表: 嫌悪(情念) 裏: 劣等感(傷) ルーツ: 孤独(傷)
備考: オリジン技能により「人を狂気に陥れ、自殺、もしくは殺人衝動を煽る」ことができる
見た目の良い歌舞伎町のホステス。
ヤギの越境者である父親に無理やり孕まされた女が産んだ子供であり、父親の性質を受け継いで融人として生まれてきてしまった。
自分の血を憎んでいるが、強い女なので自分の性質を武器に夜の街でのし上がった。客と揉めた際に能力を使ってしまい、現在はクビに。UNISONには、「自分はヤギの亜獣である」と虚偽の報告をしているため、これからどうしようか悩んでいるところ。とりあえず融人に対し差別しない青代の元へと転がり込んだ。
青代

年齢: 38
職業: 暴力団組員
表: 理性(理想) 裏: 庇護(関係) ルーツ: 孤独(傷)
神楽のボディーガード的存在。
見た目は体格が良く、良く鍛えられた体を持っている。性格は冷静沈着で理性的。多くを語らないが、神楽に対してはほんの少しだけ優しさを見せる。同じ状況下にある共鳴者たちに対しても、特別優しいわけではないが味方にはなってくれるだろう。
シナリオ上で語られることはないが、神楽の発狂し亡くなった母親の学生時代の後輩であり、仲が良かった。それもあって神楽のことを密かに見守っていた、兄でもあり、父でもある存在だ。しかしそのことを神楽は知らないし、本人も話すつもりはない。
薮

年齢: 26
職業: 融人保護官
表: 秩序(理想) 裏: 好奇心(欲望) ルーツ: 理性(理想)
青代に協力している融人保護官。軽いノリの若者。
普段は高田馬場のラーメン屋をタイマーの付喪とやりつつ、依頼をこなしている。
優秀なのだが、ラーメンがあまりにも美味いのでラーメンの方が売れている。
西川

年齢: 26
職業: UNISON職員
表: 善悪(理想) 裏: 狂気(傷) ルーツ: 恨み(情念)
弟が融人によって殺され、それをきっかけとして融人排除を目的として動くようになったUNISON職員。
シナリオの流れ
00.プロローグ
01.導入
02.出会い
03.自由探索-聞き込み
04.自由探索-場所
05.情報共有
06.民衆の地下室
07.人か怪物か
08.エンディング
09.共通エピローグ
ED-A/神楽を止めたor青代の治療が間に合った
ED-B/止められなかった
ED-C/全員逸脱した